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澄んだ心

八ヶ岳連峰を望む諏訪湖のほとりに、敬愛する日本画家、花岡哲象先生のアトリエ「澄神洞」があります。

日本画では、紙に描かれたものを紙本(しほん)、絹地に描かれたものを絹本(けんぽん)といいます。

昭和初期までは絹本が主流でしたが、現在は少なくなり、一貫して絹本を追求されている花岡先生は、数少ない画家のお一人です。

私にとっては、悩んでいる時や、壁にぶつかったように感じている時に、「ふと、顔が浮かびましたので。」と何度かお電話を頂戴したこともある不思議な魅力をお持ちの先生です。

以前、先生のもとを訪ねて、水に関する仕事で創業したことをご報告した際に、とても心に残るお話をお聞かせくださいました。

「清らかな水を通して、澄みきった世界とつながることができるといいですね。」

「澄んだ心で投じたものは、水面に広がっていく波紋のように、遠くまで届いてゆくと思いますよ。」

水面を広がる美しい波紋が描かれたご自身の作品を前に、遠くを観るような優しい眼差しでお聞かせくだったことを思い出します。

令和の幕開けに際して、あらためて初心を振り返っています。

大切なことを忘れないために。

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