豊葦原瑞穂国と呼ばれる日本の美しい水風景をぶらりと訪れて、日常と少し違った空気を感じることは、旅先での楽しみの一つです。
山陰地方への出張帰りに、鳥取県米子市にある「天の真名井」と呼ばれる泉を訪ねてみました。
天の真名井とは、「神聖な水の出る井戸」のことを言うそうです。
『古事記』や『日本書記』に、高天原の神聖な井戸を意味する「天の真名井」という言葉があって、清浄な清水にのみつけられる最高敬称だと記されているそうです。
1日に2,500トンもの水が湧きでる天の真名井。
近くを散策していると、不思議な原始絵画が描かれている弥生時代の土器の破片が出土した、角田(すみだ)遺跡がありました。
二千年も前から、ここで暮らす人々に、かけがえのない水源として大切にされて
きたのですね。
誰もいない田んぼをながめながら心地よい風に吹かれていると、ありがたさがわいてきました。